修士論文詳細

専攻社会学 氏名 指導教員名藤本 昌代 年度2024年度
タイトル高度人材移民の流出過程 ―在日中国人永住者の事例を通して―
内容  グローバル化の進展に伴い、日本は外国人高度人材を積極的に受け入れているが、その長期的な定着には課題がある。本論文は、日本で永住資格を取得した中国人高度人材が日本を離れる要因を探求する。調査対象は、日本の大手企業に在籍する20代後半から40代前半の中国人永住者13人で、インタビューを通じて彼らの意識や行動を分析した。
 結果、日本の高度人材政策は短期的な効果を持つが、ビザ制度の柔軟性不足や社会的包摂の欠如が長期的な定着を妨げていることが明らかになった。また、帰国希望者が中国の成長機会を求める傾向が強まっている。企業内では昇進やキャリア形成に対する文化的障壁が依然存在し、個人の意思決定にはパートナーの意見が影響を与えることが分かった。
 さらに、高度人材の流出は単なる損失ではなく、「頭脳循環」として捉えられるべきであり、将来的には永住ビザ制度の柔軟化や社会的支援が求められる。これにより、高度人材の移動を促進し、彼らの知識や技術を最大限に活用することが期待される。
キーワード1 グローバル化
キーワード2 外国人高度人材
キーワード3 ビザ制度
キーワード4 労働市場
キーワード5