内容 |
本研究では分析枠組みとしてインターセクショナリティを採用し、様々なカテゴリーが相互に結びつきあっていることを前提に、本来は居住地域ではないが、在日コリアンの集住地域であった「40番地」に生活する在日コリアンらの経験の複雑さ、その複雑さに対応するために、2000年度から東松ノ木市営住宅において住宅管理と生活支援を実施している「まめもやし」が展開してきた独自の実践について明らかにしたものである。研究方法としては、インターセクショナリティの視点に基づいて、「40番地」の調査報告書と「まめもやし」の業務日誌を分析を行った。そこで明らかになったのは、「40番地」で生活していた在日コリアンらが経験した困難さは、在日コリアンというアイデンティティだけではなく、高齢や女性など様々なカテゴリーが密接に絡み合ったものである、ということであった。ときには社会福祉制度の利用が、「40番地」への差別や偏見を助長してしまうことが分かった。そして、東松ノ木団地が建設され住宅が確保されても、様々なカテゴリーの交差による生じた困難さは解決せず、単身高齢者が多かったために家族的支援やオープンなコミュティづくりを行う必要性があり、「まめもやし」がその役割を担ってきたことが明らかになった。 |