内容 |
公務における人員削減と非正規化の進行の一方で、ハローワークには雇用のセーフティネットの機能強化が求められている。セーフティネットとして機能するためには、相談業務が重要であり、相談員にはその専門性が求められる。しかし、相談員は有期雇用であるため、専門性の獲得や発揮が妨げられる可能性がある。
そこで本研究では、セーフティネットの機能強化に資するべく、相談員の雇用のあり方と専門性の関係について解明した。資料調査では、相談業務の重要性が示されるとともに、その専門性が相談員の処遇において適正に評価されているとはいえないことが示された。インタビュー調査では、雇用のあり方と専門性の関係が明らかになり、有期雇用であることが雇用の不安定性や雇用不安から専門性の獲得・向上や業務上の力量発揮を困難にさせることが示された。
ハローワークがセーフティネットとして機能するためには、相談業務の専門性が適正に評価され、相談員が能力を最大限に発揮できるような人事管理制度が求められる。それにより、相談員の安定的な専門性の獲得・向上と、一定水準の専門性に基づく相談業務の遂行が可能となり、セーフティネットとしての機能の向上が期待できる。 |