修士論文詳細

専攻メディア学 氏名 指導教員名池田 謙一 年度2023年度
タイトルオンラインコミュニケーションにおける視線と行動の変容 ――自分の「顔」の表示の有無は何をもたらすのか――
内容 本研究では、ZOOMを代表とするオンライン会議ソフトウェアに焦点を当て、オンラインコミュニケーションにおけるユーザーの視線行動とその変化の傾向を探究した。さらに、雑談と面接といったシチュエーションを区別し、それぞれのコミュニケーション実験を行った。アイトラッキング技術を使用してユーザーの視線を記録し、分析することで、ユーザーの視線行動を捉えた。最後に、インタビューや音声・録画データを組み合わせ、視線行動の原因を探求し、分析した。
統計的な結果から見ると、顔ありと顔なしでは効果が異なり、面接と雑談ではそれほど差がないこと、顔があると視線変動が著しく増加することに関しては確実な傾向が見られた。また、追加のインタビュー結果からは、これらの行動は他者との相互作用や印象操作、注意の有限性と関連している可能性がある。自分の顔を見るかどうかの行動の変化の原因は、主に好奇心や過度の親密感、恥の意識などに帰結すると考えられる。最後に、参加者が自分を見るほどに、公共の環境にいる自覚が深まり、公的自己意識が高まり、それによって自己客体視が促進されると考えられる。
キーワード1
キーワード2 オンラインコミュニケーション
キーワード3 視線行動
キーワード4 自己客体視
キーワード5 自己意識