修士論文詳細

専攻メディア学 氏名施 欣淳 指導教員名竹内 幸絵 年度2023年度
タイトル逸脱を演じる女性たち ――新聞記事における女性芸人の容姿に関する表象分析
内容 本稿は、女性芸人はどのように表象されてきたのかという点に着目し、山田邦子、森三中と渡辺直美という1980年代から2010年代にかけての代表的な3組の女性芸人を選び、彼女たちの表象の変遷とその背後にある原因について、新聞記事の調査による分析を試みた。
結論としては、女性芸人が演じる「キャラクターの表象」と「本人の本来の表象」との関係性が、分離から一体化へと変化し、その一体化の中で「女性の美」に対する評価が多様化し、寛容になっていく過程を経てきたことが見えてきた。こうした女性芸人の表象の変遷の原因については、社会の影響と女性芸人の表象影響は絶え間なく循環し、形成されてきたと分析した。また、女性に対する一般的な社会規範の「逸脱者」として存在してきた女性芸人がマスメディアに注目を浴び、それによって社会的影響力を増し、女性のあり方としての一種の手本を提供しているとも考えられる。このようなプロセスが繰り返されることで、女性芸人の存在は従来の日本の社会規範に揺さぶりをかける可能性が見てとれる。
キーワード1 女性芸人
キーワード2 表象
キーワード3 規範
キーワード4 逸脱
キーワード5 表象と影響の循環